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日本にも広がりつつある葉酸の常識

欧米では常識となっているのに、日本ではまだまだ存在も知らない人もいる葉酸。世界の常識を学びながら、日本で生活する私たちの健康を考えてみましょう。


葉酸推奨の背景

日本では国を挙げて一つの栄養素を推奨することはほとんどありませんが、葉酸は厚生労働省が積極的摂取を呼び掛けている珍しい栄養素です。しかし、この日本での葉酸推奨は、世界から見れば後れを取っているのが現状です。葉酸推奨の背景を知ってみましょう。


世界的に葉酸の摂取が推奨されている理由は、妊娠初期における二分脊椎などの神経管閉鎖障害予防にあります。これまでの研究で、葉酸に神経管閉鎖障害の発症リスクを抑える効果があることがわかっています


葉酸先進国といわれる国々は、いずれも1970年代、二分脊椎の発症が多かった国です。二分脊椎の発症は人種や地域で差が見られ、当時、日本では1万人あたり2人程度。対して、現在葉酸先進国のアメリカは1970年代1万人あたり7人、イギリスは1万人あたり15人と高い状態にありました。


二分脊椎発症率が高かった国が、対策として取り入れたのが葉酸でした。国を挙げて葉酸摂取に取り組んだアメリカやイギリスの二分脊椎発症率が減少したのに対して、特に対策をとらなかった日本の二分脊椎の発症率はどうなったのでしょうか。平成11年度(1999年度)厚生労働省の科学研究において、二分脊椎の発生率が増加傾向にあることが確認されました。1998年における日本の神経管閉鎖障害(二分脊椎に限定しない)の発生数は、1万人あたり6人というデータがあります。


これを受けて、2002年から厚生労働省は母子手帳で妊婦に積極的な葉酸摂取を呼びかけるようになりました。最近では、日本産婦人科医会の統計調査で2009年、二分脊椎の日本における発症率は1万人あたり6.2人というデータがあります。


世界の葉酸と日本の葉酸

日本が葉酸摂取を呼びかけはじめたのは世界から遅れること10年。しかも、世界で葉酸摂取を義務付けている国が多い中、日本では今なお推奨という程度にとどまっています。とはいえ、妊婦向け雑誌などで葉酸の必要性が取り上げられたり、葉酸を含むサプリメントが店頭にいくつも並んだり徐々に浸透しつつあると言えるのではないでしょうか。


葉酸先進国、アメリカでは1998年、100gあたり葉酸140㎍の穀物類への添加が義務付けられました。その結果、アメリカでは食事をとれば葉酸を必然的に摂取できる状態になり、二分脊椎減少に成果を発揮することとなりました。


アメリカのように食品に葉酸を添加している国は約40カ国にのぼり、各国で二分脊椎減少の成果を上げています。アメリカでは約50%、メキシコでも約50%の二分脊椎発生率減少が見られたと報告されています。その他にもカナダ・南アフリカ・チリで40%を超える発生率の減少が確認されています。


葉酸の添加が義務付けられていない日本では、光や熱に弱い葉酸を食品から摂取するのは難しいことも。そのため、日本で確実に摂取するなら、葉酸のサプリがおすすめです。


女性なら知っておきたい葉酸の効果

「葉酸」は、人間が健康に生きるために必要な栄養素です。特に、妊娠・出産をするための体の仕組みを持つ女性にとっては見逃したくない成分が葉酸です女性にとって特に注目したい葉酸の効果は美容と妊娠


まずは、葉酸の新陳代謝促進効果に注目です。葉酸はお肌を含め体中の細胞分裂にかかわっています。お肌のトラブル、くすみやシミはお肌の新陳代謝がスムーズに進まないことで引き起こされます。古い細胞がいつまでもお肌にとどまることで、お肌も元気をなくしてしまうのです。


また、葉酸はたんぱく質の生成や合成に関与しています。そう、キレイなお肌に欠かせないたんぱく質といえばコラーゲン。葉酸がしっかり働くとコラーゲンの生成促進が期待できます


葉酸不足は顔色にも影響します。葉酸不足は貧血の原因となり、顔色が悪い、疲れて見えると言われる原因になります。疲れて見えると実際の年より老けて見えやすくなります。


葉酸をしっかりとることは、くすみやシミを防止し、元気なコラーゲンを生み出し健康的な顔色にしてくれるので、葉酸はキレイを考える女性に大切な成分といえるのです。→「女性なら知っておきたい葉酸の効果」の続きを読む…


葉酸って何だろう~ちょっと難しい葉酸のお話~

「葉酸」って知っていますか?全く聞いたことがない方も、名前だけ知っている人も、女性ならば、知っておきたい葉酸について解説します。難しいことは苦手…という方は、他のページからご覧いただいても大丈夫です。


葉酸とは、豚肉などに多く含まれることで知られているビタミンBの一種。ビタミンB12とともに赤血球を作る造血ビタミンです。代謝とのかかわりが深く、遺伝情報の保存にかかわる核酸の合成にも関係します。女性の妊娠や健康維持にも重要な役目を果たし、サプリメントとしても注目を浴びている栄養素です。厚生労働省からも、女性の積極的な摂取が勧められています。(ただし、上限がありますので注意が必要です)また、女性のみならず男性にも必要であることがわかっています。


女性の健康に大切な栄養素として「葉酸」という名前が一般的ですが、実はいくつかの呼び名があります。すべて同じものですが、発見のされ方や構造などそれぞれ由来が異なります。


まず、葉酸という名前の由来は1941年にホウレン草から発見されたことにあります。ラテン語で「葉」を表す「folium」から、「folic acid」(葉酸)と名付けられました。ホウレン草などの葉野菜に多く含まれていることが知られています。→「葉酸って何だろう~ちょっと難しい葉酸のお話~」の続きを読む…


流産で悲しい思いをしないために

不妊治療がクローズアップされるなど、誰でも簡単に妊娠・出産できるのではないことがわかってきました。葉酸は妊娠ともかかわりが深く、しっかり摂取することで妊娠トラブルが予防できるともいわれています。その中の一つ、流産について解説したいと思います。


まず、大まかに流産について知ってみましょう。流産というと、ごく少数の人が見舞われる不運のように思うかもしれませんが、その確率は8人に1人ともいわれるそれほど珍しくありません。また、妊娠に気づかないうちに流産している可能性もあり、その割合はもっと高いともいわれています。


この8人に1人というのは平均的な値で、高齢になればなるほど流産率が高くなることがわかっています。35~39歳では約20%、40歳を超えると約40%以上が流産になると言われています。


流産とは、妊娠22週以前に妊娠が中断されるものをいいます。ほとんどが妊娠初期におこります。流産の原因は、胎児側の染色体異常などが考えられ、母体側にすべて問題があるとはいえません。


これまで分かってきたことを整理してみると、葉酸摂取量が十分であれば流産しないとはいえませんが、流産を予防できる可能性もあると考えられます。


流産は大きく分けて3種類。化学的流産と稽留流産と先天性奇形。


化学的流産は気づきにくく、実際は流産にカウントされない流産です。これは、妊娠検査などでは「陽性」となるのに、胎嚢が確認できず結果、流産となってしまうもの。受精卵が子宮内膜に着床したのに定着することができず、出血とともに排出されてしまいます。→「流産で悲しい思いをしないために」の続きを読む…


葉酸は妊娠だけでなく女性をキレイにしてくれる栄養素だった

胎児の二分脊椎を防ぐ成分として母子手帳にのっている葉酸。妊娠中の女性や妊娠を望む女性の積極的な摂取が望ましいとされていますが、葉酸は女性のキレイをもサポートしてくれる美容成分であることがわかりました。


葉酸が特に働きかけるのは女性のお肌。年齢を重ねるにつれ肌トラブルが増えるのは、新陳代謝がスムーズに進まなくなり、お肌のターンオーバーに時間がかかるようになってしまうため。


例えば、シミは紫外線を浴びた皮膚が、お肌を守るために作り出したメラニン色素が沈着してしまうことでできます。お肌では通常、古くなった細胞が新しく元気な細胞に生まれ変わる新陳代謝が行われています。働きを終えた細胞は、お肌のターンオーバーとともに皮膚の表面に押し出され、やがて垢となって剥がれ落ちます。この時、老廃物と一緒に色素も一緒に廃棄されるのですが、ターンオーバーがスムーズに進まないお肌では、お肌の奥に色素沈着として残ってしまいシミとなってしまいます。→「葉酸は妊娠だけでなく女性をキレイにしてくれる栄養素だった」の続きを読む…


妊娠初期こそ摂りたい葉酸

葉酸は女性の妊娠とのかかわりが深く、妊娠を望む女性なら積極的に摂りたい栄養素です。妊娠中はさらにその重要性が高く、通常時以上の摂取が望ましいと言われています。しかし、妊娠中は塩分量だったり体重増加だったり気をつけなければいけないことがたくさん。葉酸が大切なことは分かっていてもずっと気を配るのは大変という方のために、妊娠初期だけは葉酸摂取を心がけてほしいという話をしたいと思います。


まずは妊娠初期に、お腹の中でどんなことが起きているのか簡単にお話しします。


受精が成立すると卵子は受精卵となり、活発に細胞分裂を行います。受精から約7日で子宮内に着床し、妊娠4週くらいになると胎嚢(胎児のもととなるもの)が確認できるようになります。超音波写真では楕円形のものが見えると思います。


妊娠4~7週頃は、頭が大きな2頭身のような姿が確認されます。心音が確認されるのもこのころです。体の主要部分を作る準備が始められます。


妊娠10週くらいになると、人間らしい形になり胎児と呼ばれるようになります。このころは、中枢神経や心臓、手や足などが作られる器官形成期にあたる重要な時期となります。


このように、妊娠初期は一つの受精卵から人間らしい胎児となる大事な時期。わずか10gに満たない大きさですが、脳や心臓、手や足といった主要部分が形成され始めます。→「妊娠初期こそ摂りたい葉酸」の続きを読む…


人の「生きる」に必要不可欠な葉酸

葉酸とは、ビタミンBの一種であることは分かりましたね。何となく葉酸を摂取することは健康にいいと分かっていただけたかと思いますが、葉酸という成分の重要性についてもう少し知ってほしいと思います。


私たちの体は、無数の細胞からできています。無数の細胞は、古くなったり傷ついたりしたものは新しいものに代わる新陳代謝が行われています。この細胞の新陳代謝にかかわっているのが細胞分裂。細胞分裂では古い細胞の遺伝情報を新しい細胞にコピーし、情報を引き継いでいきます。だから、たとえ体中の細胞が新しくなったとしても、別人になることはありませんね。


細胞分裂における遺伝情報の保存や伝達に作用しているのが葉酸です。葉酸はグリシンというアミノ酸から、セリン・チミン・プリンという遺伝に大切なものを生成するときに必要です。チミンは、遺伝子DNAを構成する重要な塩基の一つ。DNAの二重らせん構造の中で、プリン塩基を持つアデニンと塩基対を組みます。葉酸が不足すると、遺伝情報が入っているDNAの生成や修復が機能しなくなってしまいます。


葉酸は細胞分裂で重要な働きをするので、体内では細胞分裂が活発な場所に多く存在します。体内の葉酸のうち約50%は肝臓に存在し、残りは胃や腸といった消化器官の粘膜や口の粘膜、キズのある場所などに多く存在します。成長期の子どもや胎児も、葉酸を多く必要としています。→「人の「生きる」に必要不可欠な葉酸」の続きを読む…